梓。たったここまで描いたところでペンタブがアボーンしたので描くのをやめてしまった…。
続きにDグレ夢。相手も定まってない上に名前変換もなし。強いて言うなら…神田友情夢…。ティエドール元帥に、た、たどりつけない…。※習作なので続かないよ。
「ぷえーーー、もうだめだあ」
「相手にならんな」
神田にはいつもこてんぱんにやられてしまう。情けも容赦もないからたんこぶだらけになるし、だいたいわたしのイノセンスは近接型じゃないからこんなに汗みずくになって鍛錬する必要もないと思うんだけど。さらさらした砂がたっぷり敷き詰められた中庭に大の字になって大きく息をつき、ぱっちり目を見開けば塔の吹き抜けから真っ暗な空まで一直線に見通せた。でもそれだけだ。完璧すぎる空調のせいで、ここまで外の空気は降りてこない。真っ暗だってなんだって、今すぐ外の空気が吸いたいんだと思って、どでーんと寝そべったかっこうのままぷうっとぶんむくれるわたし。
「何だその顔は。うらむなら弱い自分を恨め」
「違いますうー。神田に勝てないのなんて今に始まったことじゃないでしょ」
「わかってるなら努力しろ」
ついさっき掌打をまともに食らった左頬がじんじんする。視界の端でちらちらしていた神田の黒色が遠ざかって行く。助け起こしてもくれないのね。知ってるけど。私の懸念はそんなところにはない。三日前から気になって気になって夜も眠れない。誰かとこうして組み手でもして殴られでもしていないと正気を保てないくらいの大問題なんだ。じわっとにじみかけた視界はたんこぶの痛みのせいだと心の中で言い聞かせてむっくり身を起こしたら、意外なことに神田がまだすぐそこにいて、近くの石段からこっちを見ていた。
「なっ何よ、もうお昼ごはんでしょ行けばいいのに」
「…何で泣く」
「なっ!?泣いてなんかないよーッ!!」
ぼぼっと顔から火が出たと思う。悔しい。こいつは私よりずーーっと年下のくせに、強くて折れなくて頑固じじいみたいな兄弟子だ。私のほうがずっと後輩。いや、神田のことは今はどうでもいい。
「気にならないの!?先生のこと」
「… ならねえよ…別に…」
心底あきれた顔で見返されてがっくりと肩が落ちるわたし。何よいつでも仏頂面なくせにこんな時には感情豊かに表情を形作れるのねこの美少年め。だけど殴られるから言わない。
「また教団を出て何ヶ月も帰ってこれないんでしょ」
「それがあのおっさんの任務だろ…」
「一人でなんだよね。いくら先生が強くても、あてもなく…たった一人で…」
「… めんどくせーやつだなお前…」
半目になってうんざりと息を吐いた神田には取り合わず、私は立ち上がると足腰についた砂をゆるゆるとぞんざいにはらい落とした。
「そんなに気になるならついて行けばいいだろ…」
「…!!!」
がばっと顔をあげて見ると、一瞬ひるんだ神田はちっと言ってあさっての方角を見た。
「もしかして励ましてくれてる?」
「誰がだっ!!」
神田がギャンッと吼えたけど、私はびくつかない。ついさっきあれだけこてんぱんにのされたばかりなのに羽でも生えたかのようなかろやかな足取りで神田に駆け寄るとその両手をとってギュッとにぎってぶんぶんと上下に振りたてた。おや。神田の顔が赤い気がする。神田も照れることがあるのか。まあそんなことはいい。
Powered by "Samurai Factory"